介護連携と歯科について(今までの事例紹介)
在宅歯科医療連携室に寄せられた事例と相談内容です。ケアマネージャーや主治医を通してお問い合わせをいただいております。口腔ケアの重要性は今後もますます高まって行きます。まずはお気軽にご相談ください。
【事例1】80代女性・要介護5
病歴:パーキンソン症候群・うつ その他
- うつ症状のため通所系サービスを希望されず訪問系サービスのみ利用。
- 心的要因または内服薬の副作用により口腔内の痛みを訴えることが多く、疼痛緩和の為に市販の塗布薬を使用していた。口腔内状態は清掃不良に加え、塗布薬によりかえって悪化しており、痛みの改善は見られず、発語も聞き取りにくく会話にならないことが多かった。
- 主治医からの勧めもあり訪問口腔ケアが開始された。歯科衛生士による専門的口腔ケアや介護者への指導により、次第に痛みの訴えがなくなり、聞き取れる自発語も多くなった。
【事例2】90代女性・要介護5
病歴:脳梗塞・逆流性食道炎・誤嚥性肺炎
- 食事形態はお粥・軟食で食事時間が長くかかり、口腔内にいつまでも溜め込んでしまっている。誤嚥性肺炎のリスクが高く主治医より訪問口腔ケアの依頼があった。
- 歯科衛生士による専門的口腔ケアにより、食事量の増加と食べ物の口腔内への貯留が減少し、食事時間が短縮された。
【事例3】70代男性・要介護4
病歴:脳梗塞
- 発症前の様にしてあげたいと強く願う家族がケアマネを通して在宅でも口腔ケアを受けたいと希望され、連携室に問い合わせをされた。居宅療養管理指導として訪問可能であると回答。主治医の了解を得て訪問口腔ケア開始となる。
- 担当歯科衛生士は『食事をペーストではなく形ある物を安全に食べられる事』を目標に口腔清掃、口腔リハに加え本人の健足、体幹強化のリハを実施。本人、家族の協力もあり、背筋が伸び、本人の前向きな気持ち、生きる張り合いがみえるようになってきた。
- 担当歯科衛生士と同席した主治医より「本人の表情が明るくなってきた。口腔ケア(の効果)は知らなかったが、○○さんの変化を実際に見て口腔ケアに感動した。往診の患者さんで口腔ケアが必要な方がいたらお願いしたい」との感想をいただいた。
【事例4】ケアマネージャーの事業所からの相談
- 要介護4で通院できない利用者への訪問治療を希望しているとのこと。取り急ぎの治療ではなく、しばらく検診していないので、どのような手続きをすればよいか?との相談があった。
- 新潟県在宅要介護者等歯科保健推進事業の訪問歯科健診事業を勧め、健診後、治療への移行も可能であることを回答。